「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーン
Fridays for Future Japan
「エネルギー基本計画(案)に対するパブリック・コメントに集められた、国民の意見の集計とその公表、並びにそれに基づく議論のための分科会開催の要望書」を資源エネルギー庁に提出しました
政府は2021年9月3日にエネルギー基本計画(案)を公表、パブリック・コメントを通じ国民の意見を求めました。COP26までに閣議決定される見通しですが、パブリック・コメントの集計や反映のプロセスが不透明です。
「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーンとFridays for Future Japanは、10月12日、以下を求める萩生経産大臣宛て要望書を資源エネルギー庁に提出し、意見交換を行いました。
●要望事項:
(1)パブリック・コメントの意見別集計を行い、その概要を公表すること。
(2)パブリック・コメントの意見集計後に、基本政策分科会を改めて開催し、国民の意見を反映すべく議論すること。
(全文はこちらを参照)
●提出先: 資源エネルギー庁
●要望への回答と意見交換の概要:
「パブリックコメントの意見ごとの件数や詳細を公表してほしい。」
(回答)
・エネルギー基本計画の閣議決定は、COP26の開始(10月31日)より前に行う見通し。
・パブリックコメントの意見の概要と回答は公表することとなっている。閣議決定のタイミングもしくはその前に公表する。
・件数は1万弱だが、同じ提出者からの意見を1通として数える「名寄せ」を行う。
・8月4日の基本政策分科会で、今後のプロセスは「分科会長に一任する」こととなっているため、今後、分科会長と相談する。(今回の要望に関わらず)
「市民の意見を聞く場がほぼパブリックコメントのみであった。あまりに不十分ではないか。せめて、各地での公聴会を開くべき。2012年の「国民的議論」では、各地での意見交換会や討論型世論調査などさまざまなプロセスがあった。」
(回答)
・意見箱で意見を募集していた。また、審議会内で、いくつかの団体からのヒアリングを行った。すべての団体の声を聞くことはできないが、そのようなプロセスはあった。
・また、今後各地で意見交換をしていく。(正式決定した後に意見交換しても意味がない。)
「8月9日にIPCCの第6次評価報告書第1作業部会の報告が出ており、これまでより厳しい評価が出ている。この報告書について、分科会でも議論すべきではないか。」
(回答)
・政府の温室効果ガス削減目標はすでに決まっており、それを変えるということにはなっていないため、エネルギー基本計画も方針を変えるということはない。
(最後に資源エネルギー庁担当者より)
危機感は共有している。高い目標を掲げることができるが、積み上げで対策を考えていかなければならない。やれる限りのことは盛り込んだ。省エネ、再エネ、化石は半分・・・と可能な限り積み上げている。
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今回のエネルギー基本計画案は、第5次計画と比べれば前進したことは確かです。しかし、省エネルギーや再生可能エネルギーの目標も、国際的に見たら十分野心的とは言えず、石炭火力を含む化石燃料のフェーズアウトにも触れていません。原子力についても、多数の国民の反対の声や、事故リスク・コスト・廃棄物などの解決できない課題にも関わらず、20~22%という非現実的な目標が掲げられています。かつて石炭産業から脱皮したように、脱炭素に向けた根本的な社会システム改革が必要です。
最後に、要望の内容を、萩生田光一経済産業大臣に伝えていただけるよう、改めてお願いしました。
意見交換は、阿部知子衆議院議員に仲介いただき、阿部知子議員と、近藤昭一議員にも同席いただきました。
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●連絡先:
「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーン
横山隆美(350.org Japan)taka.yokoyama@350.org, 090-4668-6653
吉田明子(FoE Japan)yoshida@foejapan.org, 080-5173-0136
以上