エネルギー基本計画(案)に対し、「パブコメに参加しよう!」キャンペーンを開始
ー気候危機が切迫する中、パリ協定に整合した計画の修正を求めるー
政府は9月3日、エネルギー基本計画(案)(以下エネ基)を公表し、同時にパブリック・コメントによる意見吸収を開始しました。
私たち「あと4年、未来を守れるのは今キャンペーン」は、エネ基の議論の開始後12月から、脱炭素、脱原発の再生可能エネルギー100%の計画を求め活動し、現在賛同団体は253に及んでいます。
この素案は、2030年に石炭火力を19%温存することなど、パリ協定の1.5℃目標を達成するためにOECD加盟国が要求されている石炭火力全廃には程遠い内容です。また、使用済み核燃料の処理や廃炉の見通しが立っていないにもかかわらず、原発比率を20~22%として将来世代に大きなツケを回すものとなっています。分科会の議論の場では、2050年までに再生可能エネルギー100%が可能だという研究結果が発表されていますが、そのような研究が活かされているとも思えません。
また、分科会の議論が終了した直後の8月9日に、IPCCの第一作業部会の報告書が公表されました。報告によればこの先20年間に世界の平均気温が産業革命前と比較して1.5℃上昇すると予測されています。また、海面上昇は今後対策を講じても抑えることができない状況であり、グテレス国連事務総長は「人類に対する厳戒警報だ」と危機を訴えています。世界各国は、温暖化の影響を大幅に抑える対策を今すぐ実行に移す必要があります。
このような危機感から、「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーンは賛同団体と協力して、市民に、「パブコメに参加しよう!」と呼びかけるキャンペーンを開始します。
分科会の委員からは、パブリック・コメント終了後に、市民の意見を反映すべく分科会を開くべきだという意見が上がりました。市民の意見を集めるというパブリック・コメントの趣旨からすれば、民主的プロセスとして分科会はパブリック・コメント後に、議論の場を持つべきだと考えます。
「あと4年」というキャンペーンの名前にあるように、今すぐ温室効果ガスの排出削減を始めれば年率7.6%の削減で1.5℃目標を達成できますが、このまま4年間放置すれば年率15.4%削減という非現実的な削減が求められます。将来世代の気候環境を守るのは、現役世代の責務です。
私たちはこのエネ基(案)において、目の前の利害関係にこだわることなく、長期的視野に立った科学の声を尊重した修正をすることを求めます。
<参考>
キャンペーン詳細: パブコメに参加しよう! | あと4年 未来を守れるのは今 (ato4nen.com)
本件に関する連絡先:
あと4年キャンペーン 運営チーム
国際環境NGO 350.org Japan 横山隆美 taka.yokoyama@350.org
国際環境NGO FoE Japan 吉田明子 yoshida@foejapan.org